発見塾「日本の伝統文化が持つ力」;山口智子さんと荒井修さん──楽しく・ためになる講座報告(上)
今年最後の発見塾は、東京からステキな講師、お二人に来ていただきました。12月20日という暮れのあわただしい時期にもかかわらず、70人近い参加者にお越しいただきました。これは、やっぱり、山口智子さんの魅力のなせるわざでしょう。
着物に着替えて、お話いただいた山口智子さん
山口智子さんは、とても人気のある女優さんですが、今年は宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』で、主人公・宗介のお母さんの声役で子供たちにもファンが増えたようです。会場には、「ぜひ山口さんに会いしたい」という小学生も来てくれました。
小学生のたえちゃん(最前列)
山口さんは、最近はテレビの大型番組「美の旅」などで海外の美術館やアートを巡るなかで、日本の伝統文化が欧米の文化に与えた大きな意味に目覚めていかれたようです。それを、日本の人たちに広く伝えていく仕事こそ、自分に与えられた「天職だ」と気づかれた由(よし)。
そこで、自ら案内役だけでなくプロデューサーとして、「手わざの細道」シリーズ(テレビ東京系で放映)を制作されたり、企業(伊藤忠・千趣会)と組んで「山笑う」というブランドで商品開発を、世に問うなど、新しい領域を開いていらっしゃいます。

ちなみに、「山笑う」とは、「木々が芽ぶく頃の躍動し始めた山を形容した春の季語」です。「この国の四季の移ろいや永く受け継がれてきた職人技──私たちのすぐそばに今も残る大切なものとその心を伝えていきたい、という彼女の思いをもとにしたプロジェクト」だということです。
そうです、発見塾が大切にしたいものと同じですね。

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり <道元>
ゆたかな自然を大切にして、四季折々の「移りゆく趣の深さ」に「美と生き甲斐を見出す。その行為こそが日本の伝統である」(松本章男著『道元の和歌』中公新書)ということなのです。
東京の中目黒には、燕子花(かきつばた http://kakitsubataweb.jp/ )という、手づくりにこだわったアートと雑貨のお店もお持ちですが、そこでも智子さん流の日本の本来の素晴らしさを伝えようという筋が一本通っています。
荒井さんとその扇子をもつ山口さん
もうお一人の講師;荒井修さんは、浅草の老舗扇子店「文扇堂」の4代目のご主人で、歌舞伎界や落語界にご贔屓(ひいき)のお客さんをたくさんもつ扇子職人です。
そのお仕事柄、江戸文化や文物に詳しく(デザイン専門学校で講師もされています)、人脈も豊富。講座の終わった後、何人かの参加者に余興で見せてくれた羽織の裏には、漫画家のちばてつやさんが直筆で描いてくれたという「あしたのジョー」の絵がありました。
羽織の裏には、ちばてつやの直筆が…
実は昨年3月3日には、発見塾の講座で「八尾と江戸文化」というテーマで、荒井さんに講演をお願いしたのですが、このときに、なんとアシスタントとして山口智子さんもご一緒だったのです(詳しくは発見塾HPの「特集」を参照してください。http://kazenobon-oto.net/special01.html )。
今回は、その山口さんにメイン講師としてお話しいただき、荒井修さんはアシスタントというより、触媒役をお願いしたところ、講座は、「日本の伝統文化が持つ力」を巡って、とても楽しいお二人の掛け合いとなりました。会場は、わたしたちの生き方にも関わる刺激にも満ちて、大いに盛況となりました。
→次回に続く…。<文;森人、写真;押切基之>
着物に着替えて、お話いただいた山口智子さん
小学生のたえちゃん(最前列)
荒井さんとその扇子をもつ山口さん
羽織の裏には、ちばてつやの直筆が…