江戸期八尾商人たちが、たどった桐山峠を往く・その1

 江戸期八尾商人たちがたどった桐山峠を、自分の足で歩いてみよう!
~若宮八幡社~桐山峠~野積~仁歩川~高熊観世音~山吹橋~桂樹舎

5月17日土曜日 「文化・歴史塾」を開催しました。4月12日の自然塾より平均年齢は、ちょっと高めです。けれど、みなさん足も達者で、天気に恵まれた2時間30分のコースを楽しく無事終了しました。

講師の長谷川冽(れつ)さんの解説と先導のもと、それぞれ子どものころのことや、昔のことに思いをはせ、なごやかに語り合いながら、充実した歴史散歩となりました。

 yousannguu-hatuimg_1765.jpg 朝の陽の光が降り注ぐ若宮八幡社を出発

 集合場所は、東新町にある若宮八幡社です。杉木立の中に端正な姿をみせていました。ここは「蚕の都」でもあった八尾の蚕の神社でもあるのですが、その歴史や由来などは、「やつお歴史・文化のおと」のコーナー(「蚕の都」;近々公開)を参照してください。

今回は、とても印象深かった”発見”を紹介します。神社なら普通、入口近くに駒犬があるはずですが、ここ若宮ではその位置に石が置かれています。山手の川倉というところあたりから流されてきた石(川倉石)を、「あ・うん」に見立てて置いたらしいとのこと。その発想の豊かさに感服しました。

 kawakuraisiimg_1773.jpg 近所の子供たちが川倉石と一緒に遊んでいました

 神社を出発して、坂の町を登りきると取水口があります。八尾町旧町の大きな特徴である「エンナカ(側溝)」に流れる水が、ここから始まっているのです。

ennnaka-minamotoimg_1776.jpg 町中を流れるエンナカの水の出発点

そして、次に向かうのが私の今日の最大関心事でもある、桐山峠。

Z96FB.gif 見送りましょうかょ 峠の茶屋まで 

       人目がなければ あなたの 部屋まで

八尾の人なら誰でも普通に知っている「おわらの囃子」だが、どんな道でだれがだれをどこへ送っていきたかったのか、一度その場所を実際に見たいと思っていました。

東新町の坂を登りきったところ、突き当りの石段を登ると一気に急な山道がはじまります。人があまり通らないと思われる、本当に山道です。

身一つで登っていくのですが、日頃の運動不足でかなり息が上がり、汗が噴き出します。

昔、大きな荷物を担いだ行商人なら、誰かに荷物を持って送ってもらいたかったのかなぁ・・。

飛騨の方から産物を売りにきて、急な坂道を帰る人を思うと、送らずにはいられなかったのかなぁ・・。

茶屋の看板娘が町に遊びにでも来ていたのを、送っていったのかなぁ・・。想像は尽きません。

登りきると峠はかなり広く、なるほど、茶屋なら数件建ちそうです。昔はここに3軒の茶屋が並んであったといいます。

kiriyamatouge-ueimg_1783.jpg 桐山峠。茶屋の跡にはたくさんの畑が…

ちょっと息が切れるくらいのその峠には、驚くほどたくさんの畑がありました。野菜の苗や肥料を運びあげるのも大変なことですが、収穫したものを下すのも力仕事だろうと思われます。じゃがいもがのびのび葉を広げていて、重い収穫になりそうです。健脚の人が大勢いらっしゃる証拠なのでしょう。

木立の間からは、町が一望できました。すっきり晴れれば日本海まで見えるとのこと。振り返れば、後ろは飛騨の山並み。とてもいい眺めです。八尾の町に住んでいながら、ほんとうに知らないことばかりです。

kiriyamatougekara.jpg 桐山峠からの八尾の町並。井田川が流れ、富山市街の向こうは日本海

知らないといえば、おわら節を音だけで聞いていた子どもの頃、文字としての認識がないので、先の囃子の「ひとめがなければ」を、「とうげがなければ」だと思って聞いていました。「峠の茶屋まで」送るといいながら、峠がなければ、なんて変な話だと腑に落ちなかったものです。

おわらの歌詞の中には、もしかしたら、似た音で違った意味のことを唄っていたけど、活字にした時にこうなった、というのがあるかもしれない・・と、また想像は広がって行きました。

hidanoyamanamip1000523.jpg 桐山峠から後ろを振り返ると、飛騨の山々が…

峠を越えると緩やかな下り坂が続きます。晴天続きの今日なのに、山道はしっとりと水分を含んで草木には露が下りていて、涼しい。シャガの白い花の群落を横目に見ながら、八尾はとても変化にとんだ地形なのだと改めて思いました。 <文&写真;ゆすらうめ、写真;森人> →その2につづく。

update: 2008/05/18 ,

 

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