やつお山里暮らし・29─ヒマワリ食堂にグッドバイ
梅の花をバックに、シジュウカラが楓(かえで)の木にとまっています。
梅の花を背にシジュウカラが…
梅の白さと、シジュウカラの白と黒、楓の細い枝のまだ幼い青さと小枝の先の淡い紅──山里の春は、雪一色の白さが、別の生命の白さに少しずつ置き換わり、淡い色が灯(とも)りはじめて広がっていく。春が顔を出しはじめました。

今年も、冬季限定でオープンした野鳥たちの食堂も、そろそろ店じまい。
昨年だったか、廃校になった小学校の理科実験室の大きな実験用机が、「処分するのはもったいない」とわが家に回ってきました。そこで、リビング前の大屋根の下にとりあえず設置して、使い道を考えるまで、今年の冬は、野鳥たちの食堂のスペースに供しました。
室内から見たヒマワリ食堂。止まり木の下にヤマガラの顔が覗いている
その結果、ちょうどわが家のリビングのテーブルの先に、雪見障子のガラスを通して、鳥の食事風景がワイド画面(こちらが覗いていると鳥も嫌がるようなので、障子を少しだけしか開けていないので、20インチくらいのワイドさだけど)で見られるようになりました。
提供する食事は、ヒマワリの種だけです。一昨年、粟(あわ)、稗(ひえ)など鳥かごで飼われている小鳥用の餌を出してみたけど、野生の鳥たちには評判がよくなくて、見向きもされませんでした。
ヒマワリの種を咥えたヤマガラ
連中は、顔の3分の1ほどもあるヒマワリの種を、くちばしでやっとこさ咥えて、近くの木の枝にとまって、足に挟んで固定し、激しく種を突っつく。すると種の殻が割れて、リノール酸たっぷりの栄養が詰まった中身をいただけるという趣向です。
家人が見ていないと、食堂のコナラの薪の木に打ち付けて、忙しそうにトントンコンコンやっています。そっと覗くと、その姿はとても愛らしい。
どれにしようかな
リビングの前には、ミズナラやクヌギの大きな樹があるので、彼らはその20メートルほどの高みから、いともたやすくほぼ垂直に落下して、机の上空1メートルほどのところで、くるっと体を反転、あっという間に止まり木にすわっています。
ちょっと!食事が出てないよ
あるいは、5メートルほどの高さの枝からまっしぐらに食堂目指して、突っ込んでくる。ガラス戸にぶつかりそうになると、ふわっとホバリングするように着地するのは見事です。
まっしぐらに飛んでくる
人間のロボット研究がどれほど進んでも、この小さな体にこれほど敏捷で・自在な運動機能を持たせることは、不可能でしょう。
先客がいて、ともに驚いた
比較的やんちゃで好奇心旺盛なのはヤマガラ(山のいたずらっ子のようで大好きです)で、単独行動主義。シジュウカラは6~8羽の群れでやってきて順番に食事を取っていきます。顔が黒い隈取りで覆われているように見えるので、損をしているけど、ようく見ると意外に可愛い表情も。
中の人間たちの様子をうかがう
それにしても彼らの元気さ、真摯な態度、自然の色彩と形の美しさ…凄いなぁといつも感心させられます。
雪が降ったり、山の天気が悪いときには、食堂は流行るけど、好天の日にはとんと音沙汰がない。
春の晴れた日には”閑古鳥”しか啼かないから、そろそろグッドバイです。
グッドバイ、みなさん
机も友だちの「そば打ち台」として、先週もらわれて行きました。
たしかなことは一つもない世の中ですが、年々歳々、人も自然も情況も、変わっていくことだけはたしかです。<森人>
天空に浮かぶ町
大ケヤキが見える
雪の禅寺坂
生命力をあらわす大ケヤキ
雪に埋もれたわが家
60mの私道=ライフライン確保に必死













2007年10月15日撮影
2007年10月15日撮影
2008年12月29日撮影
2009年3月4日撮影
いえいえ、大したことじゃありません
食事のほう、よろしく

食堂を独占しているカワラヒワ;「文句あっか」
くちばしに種が刺さってしまった!